いい役者で終わりたい

俳優の緒形拳さんが、10月5日に亡くなられました。
享年71

言葉静かであまり自分のことを騒がず、
それでいて、ウイットに富んだ会話がとても魅力的な人でした。



「復讐するは我にあり」(1979/監督 今村昌平)
緒形拳が演じたのは、
実際にあった凶悪な殺人事件の犯人役。
なぜ犯行を繰り返すのか、
当時まだ若かった自分にはとてもあいまいで不可思議に映りました。
そんな犯人の心理描写を見事に演じていました。


「鬼畜」(1978/監督 野村芳太郎)
妻と愛人とその子供たちの間で揺れ動く男の役。
愛人の子を手にかけようとしてその子供が助けられたとき、
緒形拳扮する父に向かって、
「お父ちゃんじゃない、知らない人だ」と何度も言い張る場面。
子役と緒形拳の演技、もう絶妙でした。


「砂の器」(1974/監督 野村芳太郎)
 ◆◇ニュープリント版で再上映 - 2005年7月梅田松竹



ハンセン氏病の根深さと、
ある他殺事件の捜査が絡み合う複雑な内容。
駐在所の巡査役で登場した場面では、
映画のなかでも別の空間を作り上げていた。
これは、
どんな重厚な映画でも力の抜き加減がうまい、
緒形拳の独特のキャラクターからなるものではないでしょうか。




「主役とか脇役とか関係なく、
いきいきと輝いているというか
つやっぽさを失いたくない。
地味だけどいい役者だね。
そんなふうに言われる仕事がしたい。」

生前、TVのインタビューで答えていた緒形拳さんの言葉。


  「立派な役者ってよりも
    いい役者で終わりたいなぁ」


その言葉どおり
実にいい役者だった。
そして、
本当に俳優人生に幕を下ろしてしまった。


安らかに眠ってください。
心よりご冥福をお祈りいたします。

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