避難訓練




先日、会社で避難訓練が行われた。春の日差しのなかでゆるい空気に包まれたその光景は、
まるで出発前のツアー旅行客が点呼をとられているかのようでした。
小学生の時だったか火災訓練があって、校舎の2階から非難袋で降りたことを思い出していたら、
この画像がはしご車か火の見やぐらのように見えてきた。

その画像、上は昨年12月14日で下は昨日。出勤前の同じ時間帯です。





で、火災でまたまた思い出したことが。

ヘップファイブの前身で、まだ赤いクジラも存在しなかった阪急ファイブの頃に、
最上階のオレンジルームでとある芝居を観ておりました。
幕が上がって、開演から30分ほど経ったころ会場がざわめき始めて、
何だろうと右側の舞台裾に眼をやると、どん帳が燃えて天井まで火の手があがっている!
開演からずっと前床のライトに被っていて燃えたと思われる。ひえぇぇ~~!!恐怖の瞬間、
観客の一人が、芝居に没頭している役者に向かって「燃えてんで!」と大声で知らせた。

そのときの役者の驚いた表情は、まるで目玉が飛び出るんじゃないかと思えるほどでした。
一瞬場内が水を打ったように静まり返って、次の瞬間めっちゃパニックになった。
出入口はひとつだけ。その逃げ道となるはずの通路に予備席の折りたたみ椅子が重ねてある。
我先にと出口目指して逃げる群集の、パイプ椅子を蹴飛ばす騒然音やら悲鳴が一番こわかった。
スタッフの呼びかけや誘導は、ほとんどの人の耳に届いてないように思えました。

やっとこさの思いで会場の外に出たら、とっさに私の手をひいて逃げた同僚の顔が煤けていた。
窓のないビルの室内を、巨大な黒煙が通風孔めざして、帯のように横長に流れていたのをよく憶えている。
私の手をずっと離さなかった同僚の手は震えていて、コトコトと心音のように小さく伝わってきた。

翌日新聞の片隅に、昨日の出来事が記事になった。芝居はそれっきり再演されることはなかったけれど、
けが人がでなかったのが不幸中の幸いでした。


さて、何かに遭遇したとき今日の訓練が活かされるようにと願うのですが。







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